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名誉会長就任のごあいさつ
にしはら はるお

学校法人国士舘 理事長
早稲田大学名誉教授 元総長
青少年育成国民会議 会長
西 原 春 夫

 このたび、国際ボランティア学生協会(IVUSA)の名誉会長に推挙されることになりました。1998年4月に学校法人国士舘の理事長に就任してから、国士舘大学に「国際ボランティア」という学生サークルがあり、国内外で大変な活動をしていることを知りました。そしてさらに、その学生が核となって他大学を巻きこんだインターカレッジな組織があり、一大学ではできない大きな活動を展開していることを知りました。そして学生たちの活動を記録した報告書を読み、深い感銘を覚えたのでした。
 われわれ大人は、今の若者にどちらかというとマイナスの評価をしがちです。苦労を嫌い安逸な生活に溺れているじゃないか。何を考え、何を感じているのか、さっぱりわからない。それなのにすぐキレて怒り出す・・・。大人は今の若者を生み出したのがわれわれ大人の作り上げた社会であることを忘れて、そのように感じているのです。それは事実です。
 その若者が、大人にもできないようなすごいことを、しかも淡々とやり上げてケロッとしている・・・。私の読んだ報告書は、大部分の日本人がまさに安逸に享受している物質文明とは正反対のすさまじい環境に身を置き、日本人が戦後求め続けた経済的利益をまったく打ち棄てて、困っている人々のために苦労をものともせずひたむきに尽くす学生たちの姿を、まざまざと描き上げていたのでした。
 彼らはそのような活動を通して、幸せとは決して物質的な幸せではないことを学びました。どんなに肌の色が違い、言葉が通じなくても、心と心が解りあえば人間として一つになれることを知りました。苦労して物事をやり遂げたときのよろこび、人に感謝されたときのうれしさ、そして何よりも体の奥底からこみ上げてくる感動こそが、人生の中でもっとも美しいものであることを悟りました。学生たちは、確実に一歩一歩成長しているのです。
私はもっともっと多くの学生がこの活動に参加し、それがさらに外国人学生をも巻きこんだ大きな活動に発展することを、心から願わずにはいられません。とくに戦前戦中の日本人の行動にこだわりを持っている人の多いアジアで、日本人は本当はそうではないのだということ示して頂きたいと思うのです。
 本会がますます発展し、その活動の中で学生の皆さん一人一人が人間的に成長して下さることを心から祈らずにいられません。




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